この店作りが凄い!まちおこしと店作り。【解説】

この店、なんだかわかりますか?衣料品店?


いいえ違います。

青梅に開店した青梅麦酒ビアホールなんです!

まちおこしの一環でのビアホールなのですが、ビールについてはここでは触れません。あくまで店づくりの観点からだけで、書いてます。

このアイデア?にスゲーなと共感出来た方は大丈夫です。究極の店作りに気づいている一人です。

実は、看板は以前の洋品店のそのまんま。内装はコンパネのそのまま仕上。
そうなんです。まさにシンプル!これでいいんです。まさに、これでいいのだ!
(青梅の赤塚不二夫記念館の近くなのです!)って感じですよね。
え?未完成じゃないの?これで終わり?とクレームの嵐を呼びそうな内装ですが。
建築家の手腕?説得力のなせるわざ?お金なさすぎ?確かにクラウドファンディングでの結果からかもしれませんが。
とはいえ、予算をかけてきれいにつくれば良いというわけではないです。やはり考え方とか感性というか、私は、今後はますますこの傾向に向かうであろうと予測しています。


街づくりも居場所づくりも建築的なまなざしが必要で、実際にいつの時代にも特異な才能を持つ人だけにしかできないかといえば、全くそんなことはなく、人のためのものであり、極端に言えば、少しの空間とテーブルと座れる椅子さえあればそれだけで用は足りる。椅子さえいらなくなりカウンターさえあれば、事足りる。
建築とか空間とは何か?みたいに難しく考えるのは若い頃だけで、現実には建築主、クライアントの要望とのハザマで葛藤した妥協の産物のようになってしまうことも多い。
私は吉祥寺で若い頃に食文化に興味があって、路地の飲食空間が好きだった。人々の居場所、交流の原点みたいなものは酒場であったり、食堂であったり、いろりであったり、焚火の周りであったりする。ただそれだけのものや空間があれば、十分じゃないかと。

ものづくりや、街づくりとか、なんでも古いものを壊して、立て直す。新しくすればいいのかと言えば、それは違うんじゃないか。私もデザイナーとして仕事をしていた時代があって、ある大衆店の改装依頼があったのだけど、もともとその店が素晴らしすぎて、一体なにを変える必要があるんだろう?と逆に提案したことがあったが、2代目の経営者にとっては、どうしても広告代理店の話に乗ってしまって、新しくしなけりゃ時代に乗り遅れるという意識から離れることができずに、せっかくのお店をダサいチェーン店に変えてしまい何の魅力もなくなった。好き嫌いには個人差があるし、そんなことをいちいち考えて食事をしたり飲んだりしていないけれど、人気のある店とない店となると、やはり運営者側にとっては、洋服を変えれば解決できるんじゃないかと安易に考えることしかできないから、お金をわざわざかけて、さらに勘違いした結果、悪循環になって閉店に追い込まれることが多い。
あのバブル真っただ中から、時代が変わって予算もかけられなくなると、
リフォームとは、老朽化した部分を直して元の状態のままにする。意味合いがあり、リノベーションは革新とか修復。付加価値を高めるような感覚に近いと思う。

今まちづくりに求められているのは、リノベーションなのだろうと思うけれど、昔の良き建物は改修して残して、新しく付加価値として加えるものによって、人の流れが変わったり、機能が加わったりする。
例えば、ライフスタイルに関わるものであったり、市場(マルシェ)みたいに人が集まれる広場を提供することで街の路地の流れが変わったりもする。
今回の青梅麦酒ビアホールは、もともと洋品店であった場所をリノベーションしたわけだけれど、もっとも凄いのはその商店街の通りの景観のまま。テントサインをそのまま残したことにあると思う。もちろんそれは予算から出てきたことかもしれないし、沢山の議論の結果かもしれない。でも、私は好きだなあ。そういうの。すごく新しいと私は感じる。
都会での店は移り変わりが激しい。とにかく作りすぎだと思う。デザインなんかもういらないんじゃないかと思う時もあったり、じゃあなんでデザイナーだの建築家だのやってるんだ?と思う。
今後ソーシャルデザインって、機能美だけでいいんじゃないかな?と思う。壁だって、天井だって、スケルトン。コンパネ仕上!材料費は限りなく安く。
クラフトビール、シンプルイズビューティフル。


青梅麦酒ビアホール青梅麦酒


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