カレーを店の名物メニューに加えたい。燻製カレーへの道(前編)

カレーを店の名物メニューに加えたい。
燻製カレーへの道(前編)

燻製カレー「スモークオンザカレー」とは「吉祥寺立ち飲み笑門」で提供していたカレー。レシピ公開。と、その前に「基本となるスパイスカレー」について振り返ってみます。(前編)

  本格カレーに対する誤った先入観。

スパイス(本格)カレーって作るのが難しい?飴色玉ねぎ炒めって時間がかかる。スパイスの種類が多いほどおいしくなる?そんなイメージってありませんか?

実は私もそんな先入観、思い込みを抱いていた一人。
カレーに先入観が出来てしまったのは、本格インド料理店のイメージや、何十種類ものスパイス使用を売り文句にした広告のせいかもしれないですね。
いくら
スパイスに馴染みがないとはいっても、ターメリックはウコン。コリアンダーは今流行のパクチー。クミンはセリ。種類は違えど、日本にだって香草は普通にあるし。漢方薬みたいなもの?

本格スパイスカレーがもっと身近なものにならないかなあ?と思っていた。そんな時、東京カリー番長で知られる水野仁輔さんの本に出会った。実は、本格カレーがたった3種類のスパイスできると、知ったときは、それはもう目からうろこでした。

スパイスは基本3種類のみでもOK。あとは辛み(唐辛子)をプラスした辛い食べ物というのがカレー。隠し味はニンニク、唐辛子、バター、蜂蜜の4つの神器があれば良い。ということで
本の通り作ってみたら、驚くほどうまい。それもインド料理店のカレーに負けないくらいのものが自宅で作れるなんて。
そんなレビューが沢山投稿されているのをみて、今まで間違った先入観を抱いていたのは、私だけじゃなかったんだと改めて思いました。

そんなことから、自分の店のメニューにスパイスカレーを加えたいと思うようになり、水野さんみたいにスパイスカレーイベントを開催したこともありました。

うる覚えですみませんが、気になるエピソードがありました。
インド人は毎日カレーをたべているけど。本当に毎日時間をかけて飴色玉ねぎを作っているのか?と尋ねたら、まさか!日本の味噌汁と同じようなものだから、そんな時間をかけて作っていない。と言われたという話。(記憶違いでしたらごめんなさい)

確かにレストランでシェフが時間をかければ、それはそれは美味しいカレー料理ができるのでしょうけれど。カレーって気軽な家庭の食事なんだから、主婦がチャチャっと作れるはずのモノですよね。という話。

うちの店だって仕込みに時間はかけていられないし、あくまで話題のネタにしたいのが目的であって、専門店と戦うためじゃない。
そんなカレー開発にあたり目標としたのは、時短化仕込み。食材はシンプル。他店との差別化。の3点。

まずチキンカレーに決めました。メイン具材の手羽元(骨付き)は入手が容易で安価。提供時に盛り付けやすく(1人前、2本)バラツキが防げる。完成イメージは、肉がスプーンでホロホロとほぐれる感じにしたかったので、圧力鍋で解決。試作を重ねてゆくと、やはりどうしても最も時間がかかるのが飴色炒め玉ねぎ。何か良い方法はないものか?

 飴色玉ねぎってどうしても必要?

と、調べたら飴色玉ねぎを作る早い方法がありました。
刻んだ玉ねぎを一旦冷凍してから炒めると、細胞が壊れているので、手っ取り早く飴色に変化します。その他、少量の重曹を加えて炒めるとこれも早く茶色に変化するみたいだけど、この方法では、甘みが足りず苦みが残るようなので、やはり、きちんと炒めたほうが良いです。
とにかく玉ねぎは炒めるほどに甘みが増します。でも甘さを追求するのなら、リンゴとハチミツとか、チャツネとかで後からバランスを整えればOKじゃないかな?と私は割り切りました。さほど甘党でないので。
どうやら飴色玉ねぎ炒めというのは、甘みを引き出す効果と、グルタミン酸のうま味アップにあるようです。

 市販のカレールーとスパイスカレーの違い。

水野仁輔さんの基本スパイスカリーの作り方はいたってシンプルです。
炒めた飴色玉ねぎに、にんにくとしょうがのおろしたものを加え、3種類のスパイスを加えてさらに炒め香りを引き出します。ここにトマト(グルタミン酸)を加えたり、肉類や、好きな具材と一緒に煮込んだら完成。チキンやビーフやポークや海鮮など、バリエーションはいくらでも広げられるし。最後は塩で味を調え、油を控えめにすれば、かなりヘルシーな煮込み料理になるとも言えます。

 一方、本場の北インドカレーやネパールカレーなどは油を大量に使います。器の上澄みがほとんど油。大変に美味しいのですが、ちょっとカロリーが気になってしまいます。ナンもバターを塗ったりして高カロリーです。

美味しいものは脂肪と糖で出来ているというCMがありました。油にスパイス成分やうま味が溶け込むから美味しいとはいえ、ホントにすごい量です。

では、日本の市販のカレールーは?というと、やはり油の塊なんですよね。全体の割合で言えば、40%が油。40%がとろみづけなどの小麦粉など。残り10%が隠し味ペースト。純スパイスは、ほんの10%以下くらいしか入っていないそうです。脂肪と糖と油と塩。ってなんだか、ラーメンに似ていますよね?で、何が言いたいのかというと、自家製カレーであればアレンジ次第でいくらでもヘルシーに仕上げられるということ。スパイスで十分に満足感が得られるわけです。
塩分控えめの薄味を補うために、うま味成分(だし)を強めにすることで、塩分量が抑えられ、満足感を得られるというのも和食の知恵と同じなのでしょう。カレーの薬効成分によって、漢方薬のような健康増進のメニューにもなればいいなあということで、試作を進めてゆきました。

 

 ところでスパイスってどんな味?

 新メニュー開発となると、改めて、カレーって何?と思わずにはいられなくなりました。理解を深めようとして、再び要素に分解してみたくなりました。身近な具材はわかるんですが、ところで、ひとつひとつのスパイスってどんな味だっけ?ということで、確認のため、スパイスだけを、お湯にとかして飲んでみました。、、、、

まあ、そうですよね。考えればわかりますよね。
とにかく不味くて飲めたしろものではないですよ。
そもそも粉っぽいですし、漢方薬ですもんねえ。
ためしてちょっと後悔しましたが、ちょっと待てよと、、、。
じゃあ、カレーってなんで旨いんだ?

と。ハッと閃いたんですよ。
不味くて飲めたもんじゃないスープに鶏ガラスープ粉末を一振りして、
飲んでみたら、なんと!あっと驚き!劇的にうまいスープに変化しました。
なるほど!カレーってこういうことだったのか!と

(当たり前じゃん、と思われるかもしれませんが)こういう再発見って大事ですよね。

 で、これが教訓です。

個々のスパイスの詳細解説については、こちらを参考にして下さい。

「魔法の香辛料ノート」

料理の幅を広げる魔法のような香辛料。カレーなどのインド料理に使われるスパイスから、ムニエルなどのフランスの料理に使われるハーブまで、色々な各香辛料についてご紹介。

「エスビー食品の『スパイス&ハーブ』」

エスビー食品の『スパイス&ハーブ』サイト。“いつものメニューが、大きく変わる”そんな魔法のスパイス&ハーブや、おすすめのレシピを掲載しています。
スパイススープに、うま味成分を加えると、驚きの旨さに変化する。

 

本来は逆の表現ですよね。

うま味成分(スープ)にほんの少量のスパイスを加えると、元の味が引き立つ。というか、うま味が増したように感じます。実際にうま味の相乗効果というのは知られていますが、カレーにもそのような効果があるのでしょう。

これは私なりの理解ですが、ラーメンスープの袋売りってあるじゃないですか。醤油や、とんこつ、種類も豊富ですよね。このスープに、本格カレー粉を加えたらどんなカレーになるのか?試してみたくなりませんか?

前編まとめ。美味しさの要素とは

基本のスパイスカレーへの理解がより深まったところで、

美味しさの基本味についておさらいしましょう。

美味しさを要素に分解すると(甘味、酸味、塩味、苦味、うま味)の五味
さらに、日本人が発見した「うま味」成分には3種類あります。
「グルタミン酸」「イノシン酸」「グアニル酸」です。(調理師免許の試験に出てきますよ。)

「グルタミン酸」は味の素ですよね。昆布やトマト、玉ねぎ、チーズなどに大量に含まれています。
「イノシン酸」は肉類全種やカツオ節。
「グアニル酸」がキノコ類。干しシイタケなど。

この組み合わせで「うま味成分の相乗効果」が起こり、人間の脳を刺激して最高の満足感、快楽を引き出します。

さて、いよいよ燻製とは何か??に迫ります。
諸説ありますが、燻製することで、アミノ酸類が、とくにうま味成分のグルタミン酸が増えるという説もあります。

つづく

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