子持ちししゃも の燻製。失敗の原因と対策。うま味が増す燻製法【レシピ解説】

以前、お店で出していた燻製料理について、今回は失敗しない子持ちししゃもの燻製の作り方。

燻製したのに酸っぱいのはなぜ?

せっかく燻製したのに酸っぱいし、えぐみがある。ただ煙をかければ美味しくできると思っていたんだけど、難しいのかな?

いいえ、原因は食材の水分なのです。乾燥していない食材は加熱してゆくと表面に水分が浮いてきたり、蒸発して結露した水滴が上ふたについて、煙と反応し酸味がついてしまいます。

原因は食材の水分

対策は「食材の乾燥が全て」ですが、前の晩から準備したりする手間が大変ですし、短時間で作りたいときもありますよね。
店では、スーパーで子持ちししゃもなどを買ってきたら、まずキッチンペーパーで水分を拭き取り取り、さらに扇風機で10分ほど乾燥させていました。こうすれば表面が乾いて燻製することができます。ただし、この場合、ししゃもの内部は完全には乾燥していません。なので、熱を加えるとししゃもの卵自体が破裂したりすることがあります。この調整が、一般のスモーカーでは中が見えないため、難しいのです。

 そこで、上ぶたに透明耐熱ガラスを使うのが絶対失敗しない方法です。店ではそうしていました。スモークするのは鍋でもフライパンでもどちらでもできます。(鉄製か鋳物がいいでしょう)

透明耐熱ガラスのフタを使うのと失敗しない

 透明耐熱ガラスでスモークするのは、お店で重宝していました。
鍋かフライパンにさくらチップをひとつまみ敷き、そのうえにアルミホイルを載せます。(食材の水分がチップに直接落ちるのをふせぐ)さらに、その上に食材用の網を載せます。(ホイルと隙間をつくる)
網にししゃもを並べます。そこでコンロを点火します。2、3分でチップから煙が出てきますので、ここで耐熱透明ガラスのフタをします。煙と熱が対流をはじめるのが目で見えると思います。
温度が上がってくると、ししゃもの表面に煙の色がついてくるはずです。同時にしゃしゃもが熱によって調理され、内部が沸騰状態になり水分が出ているのがわかるはずです。
少し火力を落とします。

燻製中も水分をふき取れば失敗しない

この間10分ほど。ガラスの内側に茶色の水滴がついてきたら、いったん蓋をあけてキッチンペーパーで全て拭き取って下さい。ししゃも自体にも水分が浮いていたらこれも上から吸い取って下さい。(酸っぱくなる原因ですので)
乾いていればOKです。ししゃもにはすでに火が入っていると思います。
再びフタをして、ししゃもの表面が好みの色にになるまで燻煙させます。
状態によっては、火を落とし、しばらく煙だけをかけてもいいと思います。
ただし、あまりかけすぎると必要以上に煙臭くなってしまうので、おおよその色がついてきたところで、完成とします。
ふたを開けてしばらくすると、ししゃもの表面が濃くなってくるのがわかると思います。
これで「子持ちししゃもの燻製の」完成です。

今では「燻製醤油」とか「燻製オリーブオイル」なども市販されているので、これをマヨネーズに合わせるのも美味しいですし、卵かけごはんにもよく合います。

企業秘密を明かします、燻製リキッドスプレーを使っても良い!

またお店の場合は企業秘密にしていたのですが、業務用の燻製リキッドというものも販売されています。燻製の成分が入った?フレーバーリキッド(液体)なので、これを少量まぜればすべて「燻製風味を加えることができる」のです。

スモークカレーもこのリキッドスプレーを使用しました。ひとふきで驚きの燻製風味のカレーに変身してしまいます。これを出した時には、どうやって燻製したの?と皆さんから聞かれるほど話題になりました。(笑)今だから明かせる企業秘密。

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